こんにちは。

院長の山下です。

最近、軟膏(Mohsペースト)による腫瘍の治療で、

腫瘍を良好にコントロールできたワンちゃん、ネコちゃんがいたので紹介させてください。

 

 

今回治療に用いたMohsペーストは、米国のFrederic E.Mohsにより考案されたペーストです。

Mohsペーストの主成分は塩化亜鉛で、これが腫瘍細胞や腫瘍血管、周囲組織の蛋白を変性させ、

組織を固定し硬化させると同時に殺菌作用も有しています。

そのため、腫瘍からの出血、悪臭、浸出液を抑え、腫瘍自体の減量を図ることが可能です。

副作用としては、ペースト塗布時に痛みを伴うことがあり、痛み止めや薄めに塗布して反応させる時間を短くするなどの対応が必要です。

 

 

このペーストは体表の腫瘍にしか適応できませんが、体表の腫瘍であれば手術で切除する方が確実です。

ですが、高齢や持病があるため麻酔をかけれない子もおり、

当院ではそのような子にMohsペーストによる治療を適応しています。

 

先日来院されたワンちゃんです。

このように、とても巨大な乳腺腫瘍があり、内部が自壊して空洞になっていました。

高齢のため、飼主様が手術を望まれなかったので、相談の上Mohsペーストを試してみることになりました。

午前中に来院していただき、半日お預かりして軟膏を塗布します。

それをおおよそ1週間ごとに、7回繰り返しました。

 

 

すると

 

 

 

 

このようにかなり綺麗に腫瘍が消失しました。

もちろん、手術と違いゆとりをもって除去しているわけではないので、

再発する可能性はありますが今のところは腫瘍が消失した状態を維持しています。

 

 

 

 

 

続いて、先日来院されたネコちゃんです。

数か月前から顔にできものがあるとのことで来院されました。

この子も高齢だったため飼主さまが手術は望まれず、

Mohsペーストによる治療を1週間ごとに3回行いました。

 

 

 

 

すると

このように小さくなってくれました。

かさぶたにはなっていますが、腫瘍によるでっぱりはなくなりました。

 

 

今回は当院で行ったMohsペーストによる治療で腫瘍が消失した子を紹介させていただきました。

 

もちろん腫瘍が小さくならないこともありますが、腫瘍が自壊して、悪臭がしていたり、出血がある場合は、

悪臭や出血から解放され、かなり生活の質を改善してあげることが出来ると思います。

もしも、体表の腫瘍ができて、お困りの場合は当院に一度ご相談ください。

 

 

 

 

2020年4月21日更新