気胸のおはなし

気胸のおはなし

今月のある日、中型犬は車に轢かれたと連絡がありました。
なるべく動かさずすぐ来てもらうようお伝えし、飼主さんはぶつかった場面を見ていませんでしたが、
来院時には意識はありましたが右前肢などに傷があり、出血もありました。
レントゲンを撮ったところ、幸い骨折はありませんでしたが、気胸と診断されました。

気胸とは、胸腔内に空気またはガスが貯留した状態のことを言います。

 

肺は胸腔(横隔膜や肋骨によって囲まれた空間)に納まってガス交換を行っています。
今回のような交通事故や犬同士の激しい喧嘩などが原因で、
肺や気道などが傷付けられた際に空気が漏れ、胸腔内に空気が貯留し肺のガス交換が阻害されて呼吸困難に陥ります。
簡単に表現すれば、肺の外側に空気が存在している・漏れている状態です。

 

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↑正常な犬の心臓の位置です

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↑心臓が胸骨より離れた位置にあります。

 

一般的な症状では呼吸が速く、腹式呼吸。
そして胸に痛みがあり、常におすわりの姿勢で伏せや寝転ぶ姿勢を好みません。
気管支に損傷を受けている場合には鼻や口からの出血もあります。

今回の場合では、朝から半日入院をして犬舎の中でとにかく安静にしていました。
気胸の場合絶対安静が第一なのだそうです。
夕方お迎えに来てもらい、自宅で安静に・・・とお伝えしていました。

1週間後、「2日後には元気になりました!」と
飼主さんが来院されました。
本当はワンちゃんも見たかったのですが、元気すぎて車にも乗せられない位なのだそう。
本当に良かったです!

 

これからの時期は花火大会など、大きな音に驚いて逃げ出してしまう子たちもいます。
そこでの事故の可能性も十分に考えられますので、何事も注意ですね!